18世紀フランス研究会第8回例会のお知らせ
第8回例会を下記の日時で開かせていただきます。例会におきましては、お二人の方に発表していただきます
(敬称は略させていただきました。ご容赦ください)。参加は自由です。興味深いテーマだと思われますので、多くの方々の
ご来場を心よりお願い申し上げます。
11月8日10時30分から12時30分まで
岩手大学人文社会科学部 G36(学生センター棟3F)
http://www.iwate-u.ac.jp/campusannai/campus_map.shtml
発表者
大橋完太郎
ディドロにおける物質論と化学的思考(1):『百科全書』項目と後期物質論
ディドロの唯物論的思考を育んだ要因として、数学物理学的モデルの物体論から化学的物質論への展開があったということは幾人かの論者が既に指摘してきたことでもある。本発表はディドロの化学的物質論の形成を、初期の『百科全書』項目執筆時から後期の物質論へといたる道筋として提示し、そこからディドロ物質論の鍵となる概念を析出しようと試みる。具体的な参照項としては、『百科全書』項目「カオス」(1753)、同じく項目「神智学者」(1765)、そうして短論文『物質と運動に関する哲学的原理』(1770)を考えている。「化学的思考」に着目した一貫性のある読解を施すことによって、ディドロが物質論に投じた賭金となるいくつかの重要な概念を浮き彫りにすることを試みる。
今野 喜和人
18世紀イリュミニストにおける germe, semence の概念について
この8月に国書刊行会から出版された拙訳『十八世紀叢書X 秘教の言葉 もうひとつの底流』(マルチネス・ド・パスカリ『諸存在の再統合論』、ルイ=クロード・ド・サン=マルタン『誤謬と真理』、ディドロ『百科全書』項目「神智学者」)の原テキスト中にはgerme、semenceあるいはその周辺の語彙が頻出する。平井浩氏の大部の研究(Le Concept de Semence dans les Theories de la Matiere a la Renaissance, Turnhout, 2005)によって明るみに出された「ルネッサンスの種子の理論」の18世紀的展開がここには見られると言って良いだろう。本発表ではディドロの「神智学者」から関連部分を抽出した後、18世紀イリュミニスト、特にサン=マルタンがこの理論をどのように吸収したかを考察する。